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皆さんこんにちは!
株式会社齊藤牧場、更新担当の中西です。
酪農――それは牛乳やチーズ、ヨーグルトといった乳製品を生産する、**“命と向き合う農業”**のひとつです。
しかし、この酪農が日本に根づくまでには、数百年に及ぶ歴史と、大きな社会的変化がありました。
本記事では、酪農の起源から現代日本における酪農の姿までをたどりながら、その背景と価値について深掘りしていきます。
日本において、牛はもともと農耕・運搬・神事などに使われる労働力でした。
そのため、「牛乳を飲む」という習慣は、長らく存在していなかったのです。
奈良時代には、**牛乳を煮詰めて作る“蘇(そ)”**という乳製品が貴族の間で使われていた記録はある
仏教や風習により、「乳は動物性で不浄」とされ、庶民にはほぼ無縁
江戸時代でも、乳は病人への栄養補給程度で、日常的には流通していなかった
つまり、日本の酪農は**「乳を生産して消費する文化」からのスタートではなかった**のです。
本格的な酪農が始まったのは、明治維新以降の西洋化の影響です。
1870年、横浜の居留地で外国人が牛乳を飲み始めたことがきっかけ
明治政府が**“殖産興業”の一環として乳牛の輸入・飼育を奨励**
北海道開拓使によって**洋式の酪農場(牧場)**が整備される
この時期、日本初の本格的なチーズ製造・バター工場も誕生し、乳製品産業の土台が築かれました。
大正期には都市部を中心に「牛乳宅配業」が普及し始める
昭和20年代、戦後復興期にアメリカからの援助物資として“脱脂粉乳”が導入
昭和26年(1951年)から、全国の学校給食に牛乳が提供されるようになる
こうして、「牛乳=健康によいもの」「子どもに必要な栄養源」として、牛乳の価値が日本中に広まりました。
同時に、農村部では本格的な酪農経営が根づき、全国的に乳牛の飼育頭数が急増します。
ホルスタイン種を中心とした大型化・自動化が進む
タイムリー搾乳、タンクローリー収集、冷蔵保存、乳質管理の徹底
生乳(なまにゅう)の出荷先がJAや指定団体に集中管理され、安全性と品質の確保が徹底される
また、チーズやヨーグルトの需要が拡大し、牛乳以外の加工乳製品も主要な商品へ。
その一方で、輸入乳製品との価格競争・後継者不足・飼料コスト増など、多くの課題も現れました。
かつては「異質な食文化」とされていた牛乳が、いまや日本の朝食や給食、スイーツに欠かせない存在となっています。
この変化を支えたのは、現場で日々乳牛の世話を続ける酪農家の努力にほかなりません。
次回は、そんな酪農家たちが絶対に守っている“鉄則”についてご紹介します。
次回もお楽しみに!
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